2017年11月3日

努力の結果は「成功」だけか?

精神科医として考える「うまく生きるコツ」というか秘訣というか、そういうものがいくつかある。その中の一つが、
「自分にできないことは、素直にできないと認めてしまう」
精神科の診察室にやってくる人の中には、これがなかなかできない人が多い。

能力は、残念ながら万人に公平に割り当てられてはいない。得意不得意は誰にでもあるし、自分の中で一番得意なものが、全体から見れば平均以下ということだってある。残酷ではあるが、どんなに努力しても実らない、それも運不運の問題ではなく、もともとの器が足りないということが確かにある。

しかし、努力は決して無駄にはならない。「努力した」ということ自体が、何らかの形でその人のその後の人生を支えるからだ。

努力の結果を「成功」だけに限るなら、努力した人のうち一握りの人しか報われないことになる。いっぽう、「成長」にも価値を感じられる人にとっては、報われない努力なんてほとんどない。

そしてまた、時には「努力」を放棄する生き方も、アリだと思う。

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