2017年10月6日

全体的には治療者向けだが、自分自身、あるいは家族・友人が境界性人格障害という人も読む価値は充分にある! 『境界性人格障害のすべて』から (3)


今回は、SET(支持、共感、真実)のどれかが欠けた場合についてである。

支持が充分に伝わっていないと、BPDの人は、
「自分を心配していない」
「自分との関わり合いを避けている」
と言って、こちらを非難する反応を示す。
「私のことなんてどうでも良いのね!!」
と彼らが責める時は、たいてい「支持」がうまく伝わっていない。

共感がうまく伝わらないと、
「あなたには私の気持ちなど分からない」
と、自分の気持ちが理解されていないという感覚を引き起こす。そして、BPDの人たちは、「分かってもらえない」という理由を掲げて、コミュニケーション拒否を正当化する。

最後に、真実がうまく伝わらない場合であるが、さらに危険な状況が生じることになる。支持と共感だけが伝わってしまった場合、BPDの人たちは、相手の容認を自分にとって最も都合の良い形で解釈する。そして、自分にかかわる責任を相手が引き受けてくれると勘違いするか、そうでなければ、自分の考え方、感じ方が全面的に受け容れられ支持されていると誤解してしまう。まっすぐ向き合う姿勢での「真実」が伝わらないと、BPDの人たちは相手にしがみつこうとする態度をいつまでも続けてしまうことになる。

今回はここまで。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。