2017年9月1日

あなた、依存症ですよ。 『人はなぜ酒を飲むのか 精神科医の酒飲み診断』


薬物依存症の一つとして考えられている「アルコール依存症」の診断基準は、ICD-10、DSM-5の「薬物依存症」に詳しく書いてある。

ただ、俺の外来ではもっとシンプルに、以下のどれかに当てはまるようなら「依存症ですよ」と注意を促すことにしている。

1.飲み始める時間を守れない。
  その日に予定があるから、それが終わるまでは飲まない、ということが守れない。

2.飲み終わる時間を守れない。
  明日、大事な用があるので23時に切り上げる、と決めていても、ついつい午前様……、となってしまう。

3.飲む量を守れない。
  深酒しないようにと心に決めているのに、飲み始めるとどうしても深酒してしまう。

これ以外にも、採血異常があることを分かっていてもやめられない、不眠を悪化させると言われてもやめられない、精神科の薬との飲み合わせが悪いと指導されてもやめられない、といったことがあれば、「依存症ですよ」と伝えている。

「わたしは依存症になりかけですかねぇ?」と自嘲気味に、しかし本心では大丈夫と思っている様子で笑って話す人は多い。そういう人に真顔で「依存症ですよ。なりかけなんかじゃありません」と伝えると驚かれるし、中には本気で否定してくる人もいるが、それでもやめられないのだから依存症だろう。

そういえば、過去に読んだ本では「家族や同僚が困っているのに、やめられなければ依存症」というものもあった。

こうして書きながら、あぁ俺も依存症なのだな、と思う。幸い、家族がひどく困っていることはなさそうだし、仕事があるのに朝から飲むなんてことはしないし、いまのところ身体的にも精神的にも支障はないけれど、終わる時間や量に問題が……。

本書は多くの症例が紹介してある。アルコールによる身体への害もさることながら、家庭、社会生活、人間関係、「人としての尊厳」などを壊すアルコールの怖さを痛いくらいに感じた。

節酒! 

そう、俺は節酒します!! 

たぶん……。


ちなみに、著者の中村医師は下戸とのこと。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。