2017年5月16日

東大の胸部外科教授だった先生の赤裸々な意見 『患者さんに伝えたい医師の本心』


内容はバランス良く中庸が保たれており、おそらく医療者が読んでも一般の人が読んでも、強い反感を抱かれることはないのではなかろうか。そのぶん、「趣味の読書」という点では、ちょっと刺激が少ないとも感じた。

目次を記しておくので、少し参考になるだろう。

第1章     医師が「患者の家族」になったとき
第2章     手術を拒否するおばあちゃんはなぜ翻意したのか
第3章     「患者にやさしい治療」の落とし穴
第4章     左遷時代に学んだこと
第5章     「患者様」を廃止した理由
第6章     迷惑がられても当直します!
第7章     ヨン様とモーツァルト
第8章     周辺開業医への「お中元大作戦」
第9章     組織の「ミッション」を明確にすべし
第10章    警察は医療事故を裁けるか
第11章    東大医学部の傲慢と時代錯誤
第12章    悪意あるテレビ報道に医師はどう対処すべきか
第13章    病院ランキングを信じてはいけない
第14章    東大医学部教授はこうして選ばれる
第15章    医学部の宿痾「講座の縄張り争い」
第16章    医療政策を担える人材を育てる
第17章    医療事故を起こした医師は現場に戻せるか
第18章    輸血拒否の「エホバの証人」に向かい合う

本書は書き下ろしではなく、新潮社の会員制サイト「フォーサイト」での連載に加筆・修正したものらしい。さらに言えば、聞き書きでもある。連載エッセイをまとめたものなので、本全体として一つにまとまっているわけではない。こういう本は、空き時間にチョコチョコ読むくらいが疲れなくて良いと思う。

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