2015年8月24日

ツッコミどころはあったけれど、充分に面白かった! 『インターステラー』


世界観、ストーリー、映像ともに大満足。ただし、ツッコミどころは多かった。

以下、ネタバレ。

時代設定は少し先の未来。地球上の植物が少しずつ疫病に冒されて絶滅していっている。各国は軍隊を解体し、アメリカはNASAも廃止し、ほとんどの国力を農業に注ぎ込んでいた。しかし実は、アメリカは極秘裏にNASAを残し、地球から移住できる星を探索することを続けていた。そして主人公は宇宙へ飛び立つ。

こんな感じでスタートするのだが、そこまでの家族のやり取りが綿密に描かれていて、そこは素晴らしいと感じた。このわりと長い前振りで登場人物への感情移入が形成されてこそ、その後の長いストーリーも耐えられるというものだ(全編で160分!)。

俺にとって最大のツッコミどころは、移住候補の惑星から脱出する方法である。地球から宇宙に飛び立つのには、大規模な発射設備からロケットで高噴射して大気圏外に出なければならなかったのに、移住候補の惑星からはシャトルですんなり脱けられるというのは、いったいどういうこっちゃ。しかも一つの惑星なんて、重力が地球の1.3倍だというのに……。

映像は良かった。巨大な波のある惑星の映像は圧巻。
「なんで津波が起こるの?」
一緒に観ていた妻に聞かれ
「地震だろうね」
と答えたのだが、よく考えると、あれは近くにあるブラックホールに引き寄せられて起きていると考えた方が良いのかもしれない。月の引力で潮の満ち引きがあるように、あの惑星ではブラックホールによってあのような波が起きるのだろう。

氷の惑星も凄かった。特にかなり上空にある雲が凍っているという設定が面白かった。科学的にはそんなこと実際には起こらないんだろうけれど、見た目にはファンタジックで良かった。

マット・デイモンが出てきたのにも驚いた。ネットの感想では、あのくだりは要らないという声も多いようだが、俺はそうは思わない。「人類を救う」という大義を振りかざしつつ、実はその大義が自分自身を第一優先にすることの言い訳になっているという人は、今もこれからもなくならない。だから、あのギスギスした場面は非常にリアルに感じた。

総合的には、良い映画だった。

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