2015年7月23日

謝るなら、いつでもおいで


長崎県佐世保市で起きた小学生女児が同級生の女児を殺害した事件に関するルポタージュ。

被害者の父は毎日新聞・佐世保支局の局長だった。当時の佐世保支局には局長と記者2名(うち1名が著者である)、受付の女性の4人が勤務していた。建物は3階建てで、1階が駐車場、2階が事務所、3階が局長の社宅という造りで、著者は頻繁に局長宅に遊びに行き、被害女児とも食事したり喋ったりしたことがあったそうだ。

この事件の数年前に被害女児の母は乳癌のため他界しており、社宅には局長と被害女児、それから当時14歳の次男が一緒に住んでいた。本書の最後には、事件から歳月が経ち大学生になった次男へのインタビューもおさめられている。この内容が、ものすごく良い。感動するとか、胸を打たれるとか、そういうものではなく、ただ「良い」としか表現できない。俺なんかが飾った文章で評価してはいけない、そんな気持ちにさせられる。

毎日新聞は好きじゃないが、この本はものすごく良かった。著者が公平な視点を持った良い記者に育っていることを期待する。

ちなみに、著者と俺とは同じ年の生まれであった。

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