2014年8月29日

偽善の医療

偽善の医療
現役の呼吸器内科医であり、日本癌学会・日本臨床腫瘍学会の評議員(本書発行の2009年時点)でもある里見清一先生による本。鋭すぎる舌鋒とシニカルな言い回しに、ところどころ思わずプッと吹き出してしまいつつも、全体的には臨床現場で働く医師として頷けることが多かった。

各章のタイトルだけを見ても、読んでみたくなること請け合いである。以下、羅列してみる。

・患者さま撲滅運動
・消えてなくなれセカンドオピニオン
・「有力者の紹介」は有難迷惑
・安楽死を人殺し扱いしないでくれ
・ホスピスケアはハッピーエンドか
・最期は自ら決められるものなのか
・「病院ランキング」は有害である
・「告知」の無責任
・○○すると癌になるというインチキ
・間違いだらけの癌闘病記
・インフォームドコンセントハラスメント
・癌の「最先端治療」はどこまで信用できるか
・贈り物は喜んで受け取るべきである

個人的に、本文中に出てくる、
「人情は、『倫理』や規則よりも上位である」
という一文に大賛成。

さっと読めるわりに中身はしっかりしていて面白い、お勧めの一冊。

ユウの初めての予防接種&帰宅後のサクラの一言

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平成26年8月28日、ユウは初めての予防接種を受けた。

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写真はアップしないが、不安そうに見つめるサクラの表情も良かった。

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冗談で、
「次はサクラだよ(笑)」
と声をかけると、慌てたように、
「ユウちゃんだけよ!」
と言っていた(笑)

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注射が済んで、外来の終わった精神科の診察室でしばらく遊んで帰った。

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妻から聞いた話だが、帰宅後のサクラの第一声が笑える。

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「つかれたね」
だってさ(笑)

2014年8月28日

読書でも「損切り」は大事

「損切り」というのは投資用語で、「損が生じている投資商品を売って損失額を確定すること」である。これができないと、その商品の価値がさらに下落して損害が拡大する危険性がある。撤退する明確な根拠をもって早めに損切りをすることは、損失の拡大を防止する大切な方法である。

しかし、この損切りは難しい。人間には「いま持っているものを失うことを過大に評価する」傾向があるからだ。1万円の株が5千円になった時点で売れば5千円の損であるが、人はこれを非常に痛く感じる。もっと下がると心のどこかで分かっていても、ついつい「損が確定する」ことを先延ばしにしてしまう。

読書も同じだ。読みかけた時点で面白くないと判断してやめれば、本の代金はムダになるが、時間はかなり節約できる。ここでスッパリとやめられる人はすごいが、たいていの人は代金をムダにしたくない(損を確定したくない)からちょっと無理して読む。半分を読んだ時点で、やはり面白くないとする。ここで、本の代金と時間の損を確定できるかどうか。

自分はわりと読書の損切りができるほうだと思っているが、時どき失敗する。失った時間は決して取り戻せないだけに、損切りミスによる後悔、不快感は結構大きい。

手作りキッチン

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ママの手作りキッチン。

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さすがに食器は手作りではない。

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これで料理を作って、
「はい、じょーじょ」
と持ってきてくれるのが可愛い。

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先日は、コンロの部分を触って、
「あちっ!」
と言っていた(笑)

(平成26年4月24日撮影)

冬木

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2014年8月27日

顔は口ほどに嘘をつく

顔は口ほどに嘘をつく
この本は決してエセ科学やトンデモ本ではない。著者のポール・エクマン教授は、アメリカドラマ『ライ・トゥ・ミー』の主人公カル・ライトマン博士のモデルとなっており、「世紀の傑出した心理学者100人」にも選ばれているのだ。

エクマン教授は顔の表情を研究するために、40種類以上とも言われる表情筋を一つ一つ動かせるようトレーニングをし、また自分では動かせない筋肉には電極針を刺して強制的に動かして記録するという荒業までもやった。そうして筋肉の組み合わせによって作られる1万以上もの表情を記録し、FACS(表情記述法)というものを考案・出版した。これは現在でも世界中で、表情に関連する精神医学や犯罪捜査の分野で幅広く利用されている。

本書は読心術のようなものではなく、顔のパーツそれぞれの微妙な動かし方から、悲しみや「怒り、嫌悪や軽蔑といったものを感じ取り、見抜き、そこからさらに「そういう表情を見た時にどう対応するか」といったところにまで踏み込んでいる。

冒頭に14枚の写真が提示され、それぞれ1秒以内、ほんの一瞬だけ見て、その写真の表情が示す感情を、怒り、恐れ、悲しみ、嫌悪、軽蔑、驚き、喜びに分類するテストがある。5枚以上が正解ということはほとんどないらしい。俺は7枚正解だったが、それが精神科医という職業柄なのか、それとも生活の中で培われたものなのか、あるいは単なるマグレ当たりなのかは分からない。

初版が2006年で、2014年4月30日が第8刷。洋書単行本にしては珍しい気がする。本文中、何枚も顔写真が提示・説明されるので、文庫にするとそれらの写真が小さくなって見づらくなるだろう。そういうわけだから、恐らく今後もしばらくは文庫化されないんじゃないだろうかと思う。

夜桜を眺めながらお弁当

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今年の4月、夜桜を見に行った時の写真。
寒い中、三人で弁当を食べた。

きっとサクラには、何が楽しいのか分からなかっただろう。
でもそれで良いんだよ。
パパもママも、夜桜そのものより、
「君と一緒に夜桜を見に行って、寒い寒いと震えながら弁当を食べて楽しかった」
というエピソードが心に刻まれるんだ。

いつかパパがボケた時、
「あの時の夜桜はキレイだったなぁ」
とか、
「寒くて弁当つまむ箸が震えたぞ」
とか言ったなら、この日のことだと思っておくれ。


(平成26年4月2日撮影)

郵便受け

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2014年8月26日

乳がん検診は、リスクのない20代30代には不利益のほうが多い!

乳がん検診では、40代でも、乳房にメスを入れる精密検査まで受けるに至った7人のうち、4人(50%以上!)は癌ではない(偽陽性)。こういう事実をしっかり伝えることが本当の乳がん啓蒙活動だろう。乳がんの怖さを伝えまくって、「マンモグラフィ受けましょう!」ではなく、偽陽性の実態も伝える。どんな検査であれ偽陽性は絶対にある。一般人はそうしたことを知らされた上で、自分の人生の価値観と見比べて、検査を受けるかどうかを決めないといけない。

例えば上記の生検を受けた40代7人のうち4人は癌の恐怖にムダに怯え、不必要な傷を乳房につけたということになるが、偽陽性の確率を知らされた上でなら、
「それで安心感を買うと思えば安いもの」
と検査を受けるか、
「乳房に傷をつけるのは、もう少し偽陽性が減る年齢まで待とう」
と思い止まるか、どちらにしても自分で考えて決められる。

我が家では、1年くらい前にリスクファクターの一切ない当時26歳の妻が、
「乳がん検診を受けないといけないかなぁ」
と言い出したので、理由も含め説明して止めた。その時に妻はテレビで見た話をしてくれたのだが、若くして乳がんで亡くなった人をセンセーショナルに報じるマスコミの影響力を強く感じた。あれはレアケースであり、若くて悲劇的だからマスコミネタになるわけで、乳がん全体の事実を伝えているわけではない。

乳がんも含めたガン全般の最大のリスクファクターは「年齢」。一部例外はあるものの、高齢になるほど癌になりやすい。その他のリスクのない若者が不要に恐れる必要はない。というか、そうやって不必要に不安を煽るマスコミは害悪である。

<参考>
乳がん検診、若い女性が受けた場合に不利益も
「がん検診は、早期発見で死亡率が下がるという科学的根拠がある検診のみ有効と考えます。乳がんの場合、マンモ検診は40歳以降は有効ですが、40歳未満の有効性は証明されていません」
そればかりか、がん検診は一旦受けると、必ず不利益が生じるといいます。不利益とは、例えば「偽陽性」の問題。がん検診を受けると必ず、ある割合で陽性(がんの疑いあり)が出ますが、本当にがんの人は、乳がん罹患率(りかんりつ、疾病の発生率)の高い40代でもわずか0.2~0.3%。残りは「偽陽性」です。
「偽陽性の場合、がんかどうかを確認するために精密検査を受け、結果を待つ間、不必要に精神的な苦痛を受けることになります。さらに、本当にがんがあったとしても、その中には進行しないがんが一定の割合で含まれます。でもがんが見つかった以上、治療しますし、その人はがん患者となってしまう。これを『過剰診断』といいます。検診をしなければ生じなかった『偽陽性』や『過剰診断』は個人にとって大きな不利益です」

若い人が乳がん検診を受けることの主な「不利益」
1. 若い人では検診の有効性はない、または期待できない
2. 若い人は乳腺密度が濃くマンモグラフィー検診では「偽陽性」の発生が増えがち
3. 確定診断までの不安は、相当な精神的ストレス
4. 偽陽性だった場合、不必要な検査や治療を受けることになる
5. 進行しないがんが発見される可能性もある

■家族性乳がんの可能性がある人、自覚症状のある人は、若くても別対応で検診の検討を
あなたは「乳がんハイリスク」? チェック
□ 40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
□ 年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
□ 年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
□ 血縁者に男性乳がんになった人がいる
□ 乳がんになった血縁者が自分を含め3人以上いる
□ BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が確認された血縁者がいる
□ 抗がん薬、分子標的薬、ホルモン療法薬のいずれもの治療が難しい(トリプルネガティブ)といわれた乳がんの血縁者がいる
リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで

どんな本かの紹介は、コチラを参考に!

オチッコがでうところ

サクラの毎日の言葉の発達が面白い。

昨日は風呂あがりに、俺のチンチンを見て、

「パパ、こぇなに?」

と言ったかと思うと、自分で、

「ちんちん」

と答え、さらには、

「オチッコがでうところ」

と解説まで加えていた(笑)

白黒の雲

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2014年8月25日

おなかすいた!

最近のサクラの流行フレーズ。
「おなかすいた!」

朝も昼も夜も、ご飯食べた後も(笑)

日曜日の明け方、リビングで読書していると、サクラが「さむい、さむい」とグズって起きたので、寝室に駆けつけてタオルケットをかけてあげると、

「いやだ!」

と言って足蹴にされた。

「……? あついの?」

「うん」

どっちやねんとツッコミつつ、タオルケットをはいであげたら、

「おなかすいた!」

今これを書いている横で、ヨーグルトを食べている(笑)

魚屋

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ゾンビ襲来:国際政治理論で、その日に備える

ゾンビ襲来:国際政治理論で、その日に備える
内容はともかく訳がひどい。カタカナが多すぎる。たとえばこんな感じ。
リベラルなパラダイムは、グローバルな対ゾンビ・レジームの内部で形作られる二つの重大な抜け穴の存在を予測する。
わざとなのかな? いまいち面白さに入りこめなかった本。

本全体は240ページほどあるが、本文はそのうち150ページである。35ページが引用文献、50ページ強が『ゾンビ研究事始』 と題した訳者による文章。これで2000円は高い!!

2014年8月22日

犯罪は予測できる

犯罪は予測できる
犯罪が起こりやすい場所をなくす、あるいはそういう場所を重点的にパトロールする、もしくはそういう場所に近づかないのが、防犯に効果的であるという本。

では「犯罪が起こりやすい場所」にはどういう特徴があるのか。

キーワードは、「入りやすい」と「見えにくい」である。もっと詳しく知りたい人は本書を読んで実感してもらうとして、なるほどと思ったのは、本書のメインテーマではないが「犯罪と刑罰のバランス」について。

犯罪を防止するためには、「犯罪から得る利益」より「刑罰で受ける不利益」が大きければ良いが、不必要に重い刑罰は、犯罪者が刑罰を逃れるために犯罪を重ねる、あるいはより重い犯罪へ手を出す恐れがある、という記述。

強姦犯は死刑にしろという過激な意見がある。気持ちは分かるが、もしこれが認められたら、被害者に顔を見られた強姦犯はどうするだろうか。死刑怖さから被害者を口封じのために殺すかもしれない。それでも、「死刑」が抑止力となり強姦が減ることに賭けるべきだろうか。

どちらが良いのか専門家ではないので分からないが、日ごろ考える材料にはなりそうだ。

前半は面白かったが、後半は流し読み。
Amazonレビューでは、これが俺の評価に近いかな。

農園

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2014年8月20日

言語爆発とアナ雪

サクラの言語発達がすごい。

日常生活で、俺というピエロと一緒に生活しているせいか、かなりひょうきんである。言葉や身振りであれこれ面白いことをしようとしているのが、見ていてよく分かる。先日の夕食時、

「サクラ、ほらカボチャ食べる?」

と聞いたところ、

「カボチャ?」

と聞き返した後、おもむろに、

「♪カボチャのチャチャチャ」

と歌い出したのには感心しつつ笑ってしまった。


またアナ雪の虜となっているサクラは、キッチンのドアを閉めてからノックし、

「♪ゆちだるまつくーろー、どあをあけてー、いっちょにあちょぼー、どぉちてえてこぁいのー、まえはなかよくちてたのにー」

と歌い、映画のアナのように足を広げて床にペタリと腰を落としたのである。さらに、歌詞は一部とばしてあるが、舌打ちを使って柱時計の「チクタク」を真似することまでやっていた。これは早いうちに動画を録らねばなるまい。


日常的な会話は、かなりの部分でやり取りできるようになり、またその都度ぐんぐんと吸収していっているのがよく分かる。

ちなみに、ユウに対する嫉妬もかなりおさまってきて、かなり良いお姉ちゃんぶりを発揮し始めている。行動は見ていてハラハラするけれど、やろうとしていること、言っていることから妹に対する思いやりがにじみ出ている。


最近、そんな感じ。

テロと家族

テロと家族
涙なくしては読めない。どうしてこの本が絶版になっているのか……。

タイヤ

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2014年8月19日

夜のシャボン玉 & アナと雪の女王

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『アナと雪の女王』が大好きなサクラ。先日、アナ雪をラベルにしたミネラルウォーターを欲しがったので買ってあげた。すると、それがかなりお気に入りなようで、夜中に喉が渇いて目が覚めると、
「ありのままの! ありのままので飲むの!!」
と言って、ペットボトルで飲みたがる(笑)

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サクラのアナ雪ラブは相当なものである。レンタルを返却して家になかったので、家にあった『塔の上のラプンツェル』(女の子が主人公の、ディズニーCGミュージカル)で誤魔化そうとしたが、まったくダメ。さすがにもう騙せないか。

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平成26年4月2日撮影。


アナと雪の女王

医学探偵の歴史事件簿

医学探偵の歴史事件簿
面白かった。

古代から近現代にわたって、歴史上のさまざまな人物がどんな病気に悩まされ、どうやって亡くなったのかといったことが考察されている。著者は神経内科医で、病気の説明は分かりやすかったが、これは自分が慣れ親しんだ医学用語だからかもしれない。医学用語に不慣れな人にはちょっと難しく感じる部分があるかも。

医学トリビアとして読んでも面白い一冊。

2014年8月18日

【実話】 8月15日の怪異

「ねぇ……、おきて……! おきょうがきこえない!?」
11時30分、妻の声で飛び起きた。そして妻の発した言葉の意味が寝ぼけ頭に沁み込むと、一瞬にして全身が総毛だった。
「お経が聞こえない!?」
8月15日。今日は怪異があってもおかしくない日だ。

子どもは二人とも寝ていたが、暗闇を取り払いたくて豆電球をつけた。妻の不安げな顔と目が合う。耳を澄ますと、夏の夜の涼しさにのって虫たちの声が聞こえる。しかし、念仏は聞こえない。少しホッとする。鳥肌も鎮まった。

「聞こえないよ」
「しっ! ほら!!」

警戒する猫のような目で、妻が身を硬くした。もう一度、音に集中する。すると……。

なんだ? これ?

背筋をぞぞぞとした感覚が這い上がってくる。お経かどうかは分からないが、確かに低く長く引きずるような男の声が聞こえる。テレビもラジオもつけていない。真夜中に、こんな田舎の一軒家で男の声が聞こえるなんておかしい。

それでも、だんだんと冷静になってきた。そしてふと、ここに赴任してきた5年前の8月15日を思い出した。あの日も度肝を抜かれたのだった。

酒を飲んで良い気分になっているところで、突然に家の中でお経が鳴り響いたのだった。音の出所は……、各家に設置してある地域放送の受信機である。当時、これは何かのミスだと思い、気持ち悪く感じたものだった。後日、病棟のスタッフから、地域によってはお盆にそういう放送を流していると聞いて安心するやら、「宗派関係なし!?」と驚くやらだった。

今回も音の正体は地域放送だった。ただし、受信機は消音にしていて、妻が聞いたのは地域に何ヶ所かあるスピーカーからの音だった。まったくもって人騒がせである。

ところで、寝る前、2歳半の長女サクラに、
「じぃちゃん、来てる?」
と聞くと、真上を指差した。
「何か言ってる?」
そう尋ねても、サクラの語彙では答えられない。サクラの顔を見ながら、まぁそんなもんだよな、と一人納得しかけたところで……、
「おーい」
長女が天井に手を振って笑った。思わず顔を上げたが、そこは何もない天井。「じぃちゃん、ありがとう」と手を合わせると、いろいろな想いで胸が一杯になった。

手をつなごう

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蒼穹の昴

蒼穹の昴(1)
蒼穹の昴(2)

清朝末期を舞台にした、歴史小説、ではなく、歴史ファンタジー。主人公二人は実在の人物をモデルにした架空のキャラで、他には歴史上に名を遺した人たちがたくさん出てくる。

このブログのコメント欄でお勧めされて買ってみた本で、読んだ感想は大ヒット!! 何度となく目頭が熱くなった。

長い小説であり、中国名が面倒かもしれないけれど、この文庫本の親切なところは、見開き2ページの中で初めて出る中国読みにはすべてルビがふってあるところ。だから、わざわざページを戻って読み方を確認する必要がない。

夏休みのある人は、その期間のお供にどうぞ。

2014年8月15日

精神科診察室の怪談 『落ちるかけ時計』

外来のかけ時計が、落ちるのだ。

ことの不思議さに気づいたのは、外来クラークのKさんだった。外来診察室に一番乗りするKさんは、かけ時計が時どき落ちることには気づいていた。そしてKさんは、それを単なる取り付けの不具合だと思っていた。

だが、ある時、Kさんは奇妙なことに気がついた。
「時計が落ちるのは、いつも同じ時間……」
時計の針は、いつも深夜の1時半で止まっていた。

そしてKさんは、もう一つの「偶然」も発見した。
「時計が落ちた日には、緊急入院が……ある?」
入院の統計と、時計が落ちた日を並べてみると、Kさんの予測は当たっていた。

バカげた関連づけだし、根拠がないのは分かるのだが……。

外来のかけ時計は、落ちるのだ。

ロイヤーメンタリング

ロイヤーメンタリング
弁護士と精神科医には、どことなく共通点があるような気がする。

本書は、ハーバード・ロースクールのアラン・ダーショウィッツ教授が、ロースクールの学生や新人弁護士向けに書いたものである。アメリカ法曹会の人以外にはまったく関係のない話もあるが、精神科医にも相通ずるような心構えや考え方もたくさん書いてある。

サクラは長靴大好き

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ビルの上から

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2014年8月11日

なぜうつ病の人が増えたのか

なぜうつ病の人が増えたのか
パキシルやジェイゾロフトといったSSRIが発売開始された国では、うつ病患者が激増する。これはデータとして明らかであり、ではいったい何故そういうことになるのかということに迫った本。

俺を含めた若手医師は、うつ病の薬といえばSSRI・SNRIを第一選択にし、古いタイプの三環系抗うつ薬などは後回しにしがちだ。安全性、特に過量服薬時に安全という点ではSSRIに軍配が上がるのは確かである。

例えば有名なパキシルは、LD50(半数致死量。その量を飲んだ集団の半分が死ぬ)が、マウスやラットでだいたい350mg/kgである。少なく見積もって300mg/kgと考えると、50kgの人間で15000mg。パキシルの一番大きな剤形規格が20mg錠なので、750錠飲まないといけない。それでようやく半分が死ぬ程度だ。

もしうつ病の人がパキシルを最大用量の40mg(20mgを1日2錠飲む)処方されたとして、それらを1錠も飲まずに集めるだけで1年かかる。こんなガッツあることができる人は、うつ病とは言い難い。

本書が著された2010年と比べ、SSRI・SNRIで治療する病気について製薬会社の啓発活動はさらに勢いを増したように思える。医療者、特に処方権限のある医師は、製薬会社MRとの距離感に気をつけないといけない。

太郎とシャボン玉

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張り切って作っているのは、平成26年2月23日時点で身重の妻。

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