2014年5月21日

ヤクザな患者との交渉ポイント

元ヤクザとかチンピラとか、そういう患者の問題行動に対しては大人数で囲んであげることを心がけるべし、というふうに教わった。「俺を抑えるためにこれだけの人数を集めた」ということが、彼らのメンツを保つのだ。そのかわり、こちらの指示は守らせる。ギブ&テイク、というところか。

これに対して、ずっと柔道をやっていた精神科教授が、ある時に興奮して襲ってきた患者を1対1で投げ飛ばしたという話が逸話になっている。これは状況的にやむを得なかったとしても、最悪に近い。患者の自尊心を傷つけまくるし、患者に「この先生には敵わない」と思わせることに治療的なものはあまりない。やはり、大人数で囲んで観念させるのが理想なのだ。

指導医Y先生は、入退院を繰り返す元ヤクザ幹部だった患者との治療・看護の交渉がうまくいかない時には、敢えて二人きりになって、
「あなたのメンツは潰さないから、俺の顔も立ててよ」
と話していたそうだ。そうすると、それから後が非常にスムーズらしい。

またY先生のさらに上で定年間近のS先生は、かつてクルミを素手で割っていたという怪力で、ヤクザ患者同士のトラブルの時には間に割って入り、ドスのきいた低音の声で、
「このケンカ、俺に預けろ」
と言って収めていたそうだ。
「ヤクザが怖くて精神科医ができるか」
S先生は笑ってそう仰るが……、やっぱり怖いものは怖い。

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