2013年12月17日

金門島流離譚

金門島流離譚
台湾を舞台にした船戸与一の小説。今回は冒険という感じではなく、偽造品を扱う日本人が主人公の表題作と、台湾大学に通う大学生を主人公にした『瑞芳霧雨情話』の2話が収録されている。両作品につながりはない。

どちらも最初は退屈になるのかなぁと思わせておいて、途中からぐいぐい喉をしめあげてくるような、背中がびりりと震えるのを感じるような、心の中を冷たい風が吹き抜けるような、そんな展開になっていく(喉・背中・心の表現は船戸ファンにしか分からないかも)。

充分に面白かったけれど、手元に置いておきたいというほどでもなく、図書館寄贈。

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