2013年8月30日

栃木リンチ殺人事件―殺害を決意させた警察の怠慢と企業の保身

栃木リンチ殺人事件―殺害を決意させた警察の怠慢と企業の保身
どうやったら犯罪に巻き込まれずに生きていけるか、そんなことを真剣に考えてしまった。

二部構成になっており、前半は被害者が受けたリンチを克明に生々しく描いている。小説であれば、主人公はどうにか逃げきることができるかもしれない。しかし、これは現実にあった殺人事件であり、リンチの結末が死であると分かっているだけに、読み進めるのとだんだん息苦しくなってくる。被害者が殺害され、前半部を読み切る頃には、被害者や彼のご両親らの辛さや哀しさが胸に迫り、また加害者に対する怒りや嫌悪感がふつふつと沸いてくる。
それが後半部で一転、この事件の裏側が少しずつ明るみに出てくると、加害者に対して感じたものとはまた違った種類の怒りが沸きおこる。この国の警察は、いったいどうなっているんだ。

穏やかに生きたい。でも、もしかしたら、自分や家族がこんな事件に巻き込まれるかもしれない。そしてその時もこの事件と同じで、警察は何もしてくれないのかもしれない。そう考えると、とにかく怖い。

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