2013年5月29日

お久しぶりの太郎

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今回は写真が多いので、残りは「続きを読む」から。

2013年5月25日

サバイバー23区 東京崩壊生存者

サバイバー23区 東京崩壊生存者
木下半太らしいライトでダークな、そしてちょっとしたトリックもある読みやすい小説。終末世界を描いた小説や映画が好きな俺にとっては、小説全体の分量や世界描写の淡白さにちょっと物足りない部分も感じつつ、それでも充分に楽しめた。
ちなみに、読書慣れしている人なら仕事の合間に読んだとしても1日で読み終えるくらいの量。

2013年5月23日

夢は荒れ地を

夢は荒れ地を
カンボジアを舞台に、少女売春、人身売買といった闇を巡って、男たちが互いの中の何かを刺激し合い、戦い、散っていく物語。非常に熱い!! この本は子どもや孫に伝えたいので俺の書庫入り決定。

2013年5月22日

出生前診断「ダウン症→異常なし」の誤告知で損害賠償請求

出生前診断の検査を受け、ダウン症と判明したにもかかわらず誤って「異常なし」と伝えられたため、両親が損害賠償を請求しているというニュースがあった。このブログでもダウン症に関して記事を書いたことがあり、それは全期間を通じて最も読まれている。できれば、読んだことがない人にはぜひ一読して欲しい。

誤解している人もいるようだが、俺は出生前診断に断固反対しているわけではない。それも別の記事で書いている通りで、そういう検査を受ける自由は保障されるべきだとさえ思っている。その結果として親が中絶を選ぶのなら、それもその子の運命であり、そういう「母体環境」だったということなのだ。

ところが、このニュースに関しては違和感を拭えない。決してこの両親を批難する意図はないが、感覚的には受け容れきれない。他人事ながら哀しいというか、切ないというか、そういう気持ちと、なんで訴えるなんて発想が出てくるのだという疑問。このダウン症で3ヶ月半で亡くなった子は、両親にとっては「中絶する機会を逸した子」ということなのだろうか。要らない子どもであって、そんな存在を中絶する機会を奪われたから、1000万円の賠償金を支払えと、そういうことなのだろうか。

いやそれは言い過ぎだ、記事中には「継続するか中絶するかの選択の機会を奪われた」とあるではないか、選択する機会を奪われたから訴えたのだ、と指摘する人もいるだろう。ただ、それはもの凄く綺麗ごとな言い分で、実際には「異常なし」という結果を受けて「妊娠継続を選択している」のだ。選択の機会は決して奪われたわけではない。選択するための情報が誤っていたということだ。この誤りにより受けた損害に対して賠償請求するということは、正しく「ダウン症だ」と伝えられていたら中絶していたということではないだろうか。

最初に書いたように、「ダウン症だと分かっていたら中絶していた」としても、それを責めるつもりは全くない。それはその子の運命だ。しかし、「ダウン症じゃないと言うので生んだら、実はダウン症だった」ということで損害賠償を起こすことに、ただただひたすら違和感があるのだ。

もちろん、検査結果を誤って伝えた病院側にも大きな責任はあるし、賠償責任もあるだろう。ただ、これが逆に「異常なし」を「ダウン症」と誤って伝えた結果、両親が中絶を選択し、さらにその後に実は「異常なし」だったということが判明した場合を考えてみよう。読者のみんなは賠償請求額が1000万円より高いか低いか、それとも同額か、どう思うだろう。そしてそれはなぜだろう。

もし本当に「継続するか中絶するかの選択の機会を奪われた」というのが損害賠償の根拠であれば、それはつまり1000万円は「誤った告知」に対しての金額だと主張しているわけで、それなら逆の事態でも同額の損害賠償であるはずだ。でもきっと、逆の場合なら到底1000万円では済まされないような気がする。

そういうことを考えると、やっぱりなんだか、この亡くなった子が哀れに思えてしまう。

と、ここまで書いておきながら、これから真逆のことを述べる。

この両親、「要らない子を生まされたから訴える」なんて発想はさらさらなかったのかもしれない。子どもを喪った哀しみや怒り、そういった感情のぶつけ所が病院になってしまったのかもしれない。もし、この子が今も生きていたら、両親はそれでも病院を訴えたかどうか。そういう見方をすると、この子はただ哀しいだけの生き方ではなかったのかもしれないと思える。

これは別の場所で同様のことを書いて、医療職ではない友人から受けた意見ほぼそのままであり、確かにその通りだと思った。お金目当てではなく、ただただやり場のない怒りを病院にぶつける、というのは医療訴訟では珍しい話ではない。それなのに、そういう視点を見失っていた。正直なところ、話題性に引きずられて目が曇っていた。

それでもやはり、最後にこの問いだけは残る。
もし、逆の事態だった場合の賠償金は、どれくらいになるのだろうか。

<関連>
ダウン症児は親を選んで生まれてくる
ある未来を選ぶことは、別の未来を捨てること


出生前診断:ダウン症を「異常なし」 函館の医院を提訴
毎日新聞 2013年05月20日

北海道函館市の産婦人科医院で2011年、胎児の染色体異常の有無を調べる羊水検査でダウン症と判明したのに、男性院長が妊婦への説明で誤って「異常なし」と伝えていたことが、19日までの関係者への取材で分かった。妊娠継続の判断に影響を及ぼす出生前診断でこうした問題が表面化するのは極めて異例。専門家は「あってはならないミス」としている。

生まれたのは男児で、ダウン症の合併症のため3カ月半で亡くなった。

両親は「妊娠を継続するか、人工妊娠中絶をするか選択の機会を奪われた」とし、慰謝料など1000万円の損害賠償を求め函館地裁に13日付で提訴した。(共同)
http://mainichi.jp/select/news/20130520k0000m040121000c.html

本の中にいる精神科医

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一般人向けの本を書いている精神科医は数多くいる。でも、決して彼らに絶対的名医などという幻想を抱かないで欲しい。胃薬や鎮痛薬だって、似たような成分なのに体に合う合わないがある。まして精神科は人と人との相互作用。千差万別、相性があって当たり前で、万人にとっての名医など存在しないのだ。

春、濡れて

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2013年5月21日

治安は本当に良くなっているのか? 『誰が誰に何を言ってるの?』

誰が誰に何を言ってるの?
いつもの森節が炸裂(という表現は、森のタラ~ッとした文章にはしっくりこないが)している本。それはともかくとして、気になったのが、やたら犯罪は減少しているのだと繰り返すこと。でもそれって、本当に本当なの?

確かに、犯罪件数は減っているようで、例えば少年犯罪は、1960年と比べると3分の1に減っているそうだ。そこで、総務省のホームページで人口ピラミッド図を調べてみた。
上が昭和35年、下が平成22年である。
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見て分かるように、少年の数自体がかなり減っている。少年犯罪数は減って当然なのだ。だから数だけを比較して、「何分の1になっているから、それだけ治安が良くなっている」という結論はあまりに早計に過ぎるんじゃないだろうか。

理想としては、年齢別人口と犯罪数の割合、それからできれば犯罪種別まで細かく統計をとるのが良いだろう。残念ながら俺にはそこまでやる能力はないし、そんなに時間も割けない。ただ、こうして警鐘を鳴らすだけだ。

森達也のような人たちは言う。
「ほら、こうやって統計をきちんと見れば、犯罪数がかなり減っていることが分かるでしょ? 治安は悪くなっていないんだよ。むしろ良くなっているんだよ」
でもそれって、本当に本当で、統計だけを見て鵜呑みにして良いものなの?

2013年5月18日

とんでもなくハゲる夢を見た

もともと薄毛だ。薄らハゲと言っても良い。しかし、今日の夢では薄毛とか薄らハゲなんてものではなく、明らかにハゲちゃびんになっていた。夢の中で、俺は何か悩んでいた。その何かが原因でハゲちらかしたようで、頭の地肌が見えるどころではなく、ナパーム弾で焦土化したベトナムの森林みたいな感じになっていた。頭髪の過疎化には慣れていたはずの俺も、さすがにこの事態には驚いて、発毛剤を塗り塗りしたのだが、森林伐採した山が水を貯えず土砂崩れしやすいとの同じで、塗ったそばから垂れ落ちる感じになっていた。

目が覚めたら、いつもの薄毛でちょっと安心した。

ところで、先日帰省した時に、母が真顔で、

「あんた、ちょっと髪の毛が増えたんじゃないの?」

と言う。母は俺にお世辞など言わないし、それどころか家族以外の人にも俺の薄毛をネタに喋るくらいだから、真顔の母による増毛指摘は驚くと同時に嬉しかった。いや、喜んでどうするって話ではあるが……。

髪の毛が増えた理由は主に3つある。

1.結婚して食生活が改善された。
もともとの食生活が非常に悪かったと思う。一日の摂取カロリーの半分以上がアルコールだったし、野菜は少なく、動物性たんぱく質は刺身かプロテインだったのだ。

2.子どもが生まれて、朝と夜に風呂に入るようになった。
脂性なので、夜に風呂に入っても昼過ぎには頭が気持ち悪くなる。サクラを夜に風呂に入れるので、頭皮の清潔が今までより保たれるようになった。

3.発毛剤を根気よく使って3ヶ月になる。
もともと持っていたのだが、使ったり使わなかったりを繰り返していた。これをどういう理由だったか忘れたが、ほぼ毎日つけるようになって3ヶ月ほどになる。リアップ5と同じ成分で、値段はかなり安い。


この発毛剤はいつか紹介して広めたいと思っていた。何度も言うようだが、俺の母が指摘するくらいだから、それなりに効果があるのだと思う。

カークランド ミノキシジル 男性用 5% 60ml 2本

2013年5月17日

母のガーデニング

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2013年5月15日

きみ去りしのち

きみ去りしのち
本屋で見かけて、「あ、重松さんの新刊が出ている!」と喜び勇んで買ったところ、すでに同タイトルの単行本を持って積読していた。悔しかったので「文庫版あとがき」を先に読んでみたら、なんと大幅とはいかないまでも改稿していて、「文庫版のほうを決定稿としたい」と書いてあるではないか。そんなわけで、単行本のほうも一応所持し続けつつ、読むのは文庫版のみということにした。

祖父が亡くなって1年半、義理の祖父が亡くなって半年で、今年はその義祖父の初盆がある。我が家には1歳になったばかりの娘がいる。この状況下で、この本はヤバい。グッとくるし、考えるし、そして何より最後の舞台がなんと妻の実家のある場所である。この本は、義祖父の初盆前に是非とも妻に読んでおいて欲しい本だ。いつもの重松節が少々くどい感じになっていると思えるところもあるが、それでも読んで良かったと思える本だった。

お勧め。

ホビット

ホビット 思いがけない冒険

長かった……。それなりに面白くはあったけれど、この長さは予想g……、いや、予想内ではあったんだけど、残り20分くらいになってハッと思い出したのだ。
「そういえば、ホビットも三部作って言っていたような……」
観終わって調べて、やっぱりそうだった。やたら展開が遅いと思っていたんだよ。これはもう、ファンタジーが好きという人にしか勧めきれない。

2013年5月14日

夜と霧

夜と霧
正直に告白するなら、友人の整形外科医に本書を紹介されるまで、本書の名前は聞いたことがある程度で、古典小説の類いだとばかり思っていた。友人から、「この本は、ナチスの強制収容所に収容された精神科医による本だ」と教わり、おずおずと手を伸ばすこととなった。

読むと、その内容の重さに心が悲鳴をあげそうになる。でも読んで良かった。この本を、人生に悩める多くの人たちに勧めたい。

2013年5月13日

リンカーン

リンカーン/秘密の書
このブログの記録によると、最後に映画を観たのは昨年9月ということだから、実に半年以上ぶりの映画観賞となった。子育てしていると、大音量で映画を観るなんてできないし、かといって音を絞るのも寂しいし……。

とは思ったものの、妻と一緒に「映画観たいね」と意見が一致したので急きょ借りた。サクラが寝てから楽しもうと思っていたが、寝つかなかったので前半は3人一緒に観ることになった。最初のほうに怖い場面がいくつかあったのだが、そのたびに妻の膝の上のサクラが、

「ヘヘヘッ」

と笑うのは、実に緊迫感が削がれてしまって、でもそれがまた家族で映画を観ている感じがして楽しかった。サクラは寝るために途中退場して、妻もそこまで観ハマることもなかったので、残りはほとんど俺一人で観賞。

全体的には面白かったんだけど、一部ちょっと駈け足過ぎたんじゃないのかなぁと思った。恐らく編集でバッサリとカットされたんだろうけれど、「あー、これはきっとカットされた部分があるなぁ、でもちょっとそれはカットしすぎじゃね?」と感じる場面がチラホラあった。ノーカット版があれば、改めて観てみたい。

裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録

裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録
面白かった! この著者の本をあと数冊読んでみても良いかなぁと思えるレベル。

2013年5月11日

ちょっとキツめの風邪をひいた

平成25年5月6日昼から調子が悪く、7日の朝にはかなりきつくなっていた。熱も徐々に上がり、関節痛も出始めて、これはインフルエンザではなかろうかと思ったほどだ。ちなみに、この島では現在インフルエンザが流行していて、一部学校や保育園では学級閉鎖が行なわれたり、小児科医がインフルエンザにかかったりしている。そんなわけで朝から検査したけれど陰性だった。

インフルエンザかどうかに関わらず、体のきつさは相当なもので、特に咳と頭痛がひどく、とても診察などできる状況ではなかった。また患者にうつす恐れもあったため、患者を診察室には入れずに薬を処方することにした。ほぼ『無診察処方』に近いが、待合室での様子を見たり、受付けと患者とのやり取りを聞いたり、その受付けから細かい情報を得たりして処方するので、これはこれで一種の診察後処方とも言える。

火曜、水曜とこの方法で外来を行ない、受付けから「本日は主治医が体調不良」ということを伝えてもらっても、どうしても診察室に入れてくれという患者が数人いた。こちらは話を聞くどころではないが、求めに応じないわけにはいかず、咳き込みながらボーっとした頭で診察した。ちなみに、この「どうしても」という患者に統合失調症の人たちは一人もいなかった。また、木曜と金曜で外来再開し、この時もまだ咳き込むことは多かったが、そんな俺を見て「先生、大丈夫?」「お大事に」と声をかけてくれたのは、ほぼ全員が統合失調症の人たちだった。彼らは本当に優しいのだ。結局、こういう方法でも病院を早退できたのが16時過ぎだった。

水曜の夜など、熱が38.7℃まで上がり、もう明日こそは休んでやると思ったものだが、島には精神科医が1人しかいないため、そう簡単に休むわけにはいかず、一人体制の過酷さというものをしみじみと感じた1週間であった。あと何年、一人体制が続くのやら……。

2013年5月3日

名前のない女たち最終章~セックスと自殺のあいだで

名前のない女たち最終章~セックスと自殺のあいだで
著者の時に女たちを突き放したような物言いと、垣間見える同情心のバランスが読んでいて気持ち良い。それにしても風俗産業、斜陽だなぁ。

2013年5月1日

仮想儀礼

仮想儀礼〈上〉
仮想儀礼〈下〉
同じ作者の『夏の災厄』を読んで、なかなか面白かったので「好きな作家」に入れるかどうかの判断を保留していたが、今回このボリュームたっぷりの本書を読んで、重松清さんに次ぐ好きな作家にノミネート。それくらいに面白かった。魂が吸い寄せられる読書というのを久しぶりに体験した。ほとんどすべての空き時間を本書に捧げてしまい、仕事と家の中のことをやる中で数日間で読み終えてしまうほどのめり込んだ。学生時代なら「徹夜小説」になっていたこと間違いなし。

内容は敢えて細かくは書くまい。とにかく先入観なしで読み始めて欲しい。