2012年6月26日

極私的メディア論

極私的メディア論

相変わらず森達也がああでもないこうでもないとウジウジとしたことを語っているが、人や物や事象を多面体としてとらえ、かつ自分が見ているのはあくまでも一視点からであることに自覚的であるべきだという、その姿勢が精神科医にも通じるものがあり、森の本はなんだかんだでもう何冊目かになる。

何が正しくて何が間違っているのか、そういうことを議論するのではなく、「あなたが正しいと思っている考えは否定されるべきものではないが、だからといって、あなたが立っている場所に関して無自覚でいることは良くない。立ち位置によって見え方は違う。そして、そこから見えるものは決して間違いではない。でも自分がどこに立っているかは自覚しておこう」というようなことをしつこいくらいに書いている本である。

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